経営の数字・お金

サロンの店販売上を管理する仕組み|店販率と在庫の整え方

11分で読める

サロンの店販売上は「施術と分けて管理する仕組み」から始まる

ホームケアやサプリを売っているのに、施術売上とごちゃ混ぜで「今月いくら物販が売れたか」「在庫はいくつ残っているか」が分からない。これは個人サロンや治療院でよく起こります。結論から言うと、サロンの店販売上を管理する仕組みは、物販を施術と分けて記録し、在庫を販売と仕入で増減させることから始まります。

この記事では、店販(物販)売上の管理を仕組み化する手順と、店販率の出し方、押し売りせずに店販率を伸ばす運び方を、ノートやエクセルの限界を踏まえてまとめます。

この記事でわかること

  • 店販売上を施術と「別管理」すべき理由(店販率も粗利も見えなくなる)
  • 店販率のかんたんな出し方と、記録を仕組み化する3ステップ
  • 在庫アラートで発注忘れを防ぎ、押し売りせず店販率を伸ばすコツ

結論:店販は「別記録・在庫連動・カルテ提案」の3点で回る

先に答えを出します。店販売上の管理でつまずかないために、次の3点を仕組みにします。

  1. 施術と物販を分けて記録する(合計だけでなく、物販だけの売上が見える状態にする)
  2. 在庫を販売と仕入で自動で増減させる(売れたら減る・仕入れたら増える)
  3. カルテに使った商品を残し、次回の提案につなげる(その場限りにしない)

ノートや手書きの台帳でも記録はできます。ただし、物販だけを集計したり、在庫が減ったことを毎回引き算するのは手間がかかり、続きません。続く仕組みにするのが、店販管理のいちばんのポイントです。


なぜ店販を「別管理」しないと損が見えなくなるのか

施術売上と物販売上をまとめて1つの数字にしていると、次の2つが見えなくなります。

1. 店販率が分からない

店販率(総売上のうち物販が占める割合)は、サロンの収益構造を映す数字です。施術と混ぜていると、物販がどれだけ貢献しているのか、逆に伸びしろがあるのかが判断できません。

2. 在庫という「寝ているお金」が見えない

仕入れた商品は、売れるまでは在庫=お金が形を変えて棚に眠っている状態です。在庫を記録していないと、「何が・いくつ・いくら分」棚にあるのかが分からず、売れ筋の欠品や、逆に動かない商品の仕入れすぎに気づけません。

つまり、店販を別管理しない損は「店販率が見えない」「在庫=寝ているお金が見えない」の2つ。どちらも記録の仕組みで解決できます。

実際、店販を扱うオーナーがツールに何を求めるかは、現場の声にはっきり表れます。後ほど、ヒアリングで聞いた生の声を紹介します。


店販率とは・かんたんな出し方

店販率とは、総売上のうち物販(店販)が占める割合のことです。計算式はシンプルです。

店販率(%) = 物販売上 ÷ 総売上 × 100

例えば、ある月の総売上が80万円、うち物販売上が8万円なら、店販率は10%です。

店販率の業界的な目安は、出典によって幅があり、業態(美容室・エステ・治療院など)でも大きく変わります。一般に「数%〜十数%」と語られることが多いものの、確定した基準値があるわけではありません。他店の平均を追うより、まず自店の店販率を毎月把握し、その推移を見るほうが実務では役立ちます。

なお、店販率を考えるときは、あわせて客単価(お客様1人あたりの平均売上)と原価率(売上に対する材料・商品の仕入れ原価の割合)もセットで見ると、物販が利益にどう効いているかが立体的に分かります。物販は施術より原価率が高くなりがちなので、売上だけでなく「いくら残るか」まで見るのがコツです。

記録を仕組み化する3ステップ

手書きやエクセルでも始められますが、続けるには「入力が一度で済む」「集計が自動」「在庫が連動する」仕組みが要ります。順番に整えます。

ステップ1:商品マスタ(カテゴリ)を用意する

まず、売る商品を一覧にして登録します。このとき、カテゴリで分類しておくのがコツです。

  • スキンケア/ヘアケア/サプリメント/アパレル など、自店に合った区分
  • 商品名・販売価格・仕入れ原価(分かれば)
  • サイズ・色違いがある商品は「バリエーション」として整理

カテゴリを先に決めておくと、あとで「スキンケアだけで月いくら売れたか」のように区分ごとに集計でき、売れ筋・死に筋の判断がしやすくなります。

ステップ2:会計時に施術と一緒に物販を入力する

会計のたびに、施術売上と同じ画面で物販を一緒に入力します。会計と分けて別の台帳に書き写すと、入力漏れと二重手間の原因になります。

ポイントは「お客様1人の会計の中に、施術と物販が両方ぶら下がる」形にすること。こうすると、後から「この日・このお客様が何を買ったか」までたどれます。エクセルで管理する場合も、1行に施術と物販を混ぜず、種別の列を分けておくと集計が楽になります。

ステップ3:在庫を仕入・販売で増減させる

在庫は、仕入れたら増える・売れたら減るを記録します。

  • 仕入れたとき:商品・数量・仕入日を記録(在庫が加算される)
  • 売れたとき:会計入力に連動して在庫が自動で減る
  • 食品やスキンケアなど期限のある商品は、期限ごとのロットで分けて管理

手書きやエクセルだと、売れるたびに在庫を手で引き算することになり、ここが続かない最大の原因になります。販売と在庫が連動する仕組みなら、会計を入力するだけで在庫が正しく保たれます。


在庫アラートで発注忘れを防ぐ

在庫管理でいちばん役立つのが「最低在庫を切ったら知らせる」仕組みです。

商品ごとに「最低これだけは切らしたくない」というしきい値(最低在庫数)を決めておきます。在庫がその数を下回ったら通知が出るようにしておけば、人気商品の欠品や、発注のうっかり忘れを防げます。

手書き・エクセルの台帳では、この「下回ったら知らせる」を人が目視でチェックするしかなく、忙しいときほど見落とします。アラートが自動で出る仕組みにしておくと、棚を毎回数えなくても発注のタイミングを逃しません。


「ひとつで管理したい」——店販を扱うオーナーの生の声

ここで、SALONA利用サロンへのヒアリングで聞いた声を、匿名化して紹介します。

ホームケアとサプリメントを扱う整骨院のオーナー(仮名)は、ツールに興味を持ったきっかけとして「物販もやっている」ことを挙げていました。予約や施術だけを管理するツールでは、物販の売上や在庫まで面倒を見きれなかった、という文脈です。店販を扱うサロン・治療院ほど、「予約だけ」「会計だけ」では足りず、物販まで含めて1か所で見たいニーズがあることがうかがえます。

別の美容整体のオーナー(仮名)は、使いたい機能として「物販管理使えるのが嬉しい」「一括でできるのありがたい」と話していました。施術と物販を別々のツールや台帳で管理する手間を、ひとつにまとめたい——という生の声です。

この2人に共通するのは、「店販を扱っているからこそ、施術と物販をバラバラに管理したくない」という点です。別管理の仕組みは、突き詰めると「施術と物販をひとつの流れで記録する」ことに行き着きます。


押し売りせず店販率を伸ばす運び方

店販率を上げようとすると、つい「売り込む」発想になりがちです。ですが、続く店販は売り込みではなく、次回までのケアの提案です。

  • 施術中に使った商品や、家でのお手入れに向くアイテムを、カルテに記録しておく
  • 次回来店時に「前回お使いいただいた○○、その後いかがですか」と自然に話題にする
  • 施術の延長として、家でのケア方法を案内する流れの中で商品を紹介する

この運び方なら、お客様にとっては「売られた」ではなく「ケアを提案してもらった」体験になります。カルテに使用品が残っていれば、提案が毎回ゼロからにならず、会話が続きます。

💡 店販は「売上」ではなく「ケアの継続」と捉える

ここはSALONAらしい論点として、ひとつだけ独自の視点を置きます。

店販を「単発の売上」と捉えると押し売りになりますが、「次回までのお客様のケアを支える提案」と捉え直すと、見え方が変わります。家でのケアが続くお客様は、施術の仕上がりも保ちやすく、結果として通い続ける理由になります。つまり店販は、その月の売上を足す行為であると同時に、お客様が長く通う土台=リピート(再来店)づくりにも効きます。店販率という数字の裏側には、「お客様のケアがどれだけ続いているか」が映っている、という見方です。

※ホームケア商品やサプリの紹介では、症状が良くなると断定するような効果効能の言い切りは避けます。あくまで「家でのお手入れの選択肢」として案内するのが、薬機法・景表法の観点でも安全です。

よくある失敗とNG

店販管理で実際に起こりがちなつまずきです。

  • 施術と物販を1つの数字にまとめている … 店販率も粗利も見えません。種別を分けて記録します。
  • 在庫を記録していない … 「寝ているお金」と欠品が見えず、勘で発注することになります。
  • 会計とは別の台帳に物販を書き写す … 二重手間と入力漏れの温床。会計の中で一緒に入力します。
  • 大量に仕入れて棚で眠らせる … 在庫=お金です。売れ筋を見ながら回します。
  • 店販率の目標数字だけを追って売り込む … 押し売りはリピートを損ねます。カルテ起点の「ケアの提案」に切り替えます。

業態別の差分注記

店販管理の基本は同じですが、扱う商品で重みが変わります。

  • 美容室・理容室 … シャンプー・トリートメントなどヘアケアが中心。施術で使った商品をそのまま家でも、という提案が自然につながります。
  • まつげ・ネイル … 専用クレンジングや保湿アイテムなど、持ちを左右するホームケアが店販の軸。カルテに使用品を残すと再来店時の提案がスムーズです。
  • エステ・美容整体 … スキンケアやボディケア商品の点数が多くなりがち。カテゴリ分けと在庫アラートの効果が大きい業態です。
  • 整体・整骨院・鍼灸など治療院(自費) … ホームケア用品やサプリを扱う院も増えています。効果効能の断定は避け、家でのお手入れの選択肢として案内するのが安全です。

まとめ

サロンの店販売上を管理する仕組みは、次の3点で回ります。

  1. 施術と物販を分けて記録する(店販率=物販売上 ÷ 総売上 が見える状態にする)
  2. 在庫を仕入・販売で増減させ、最低在庫を切ったら知らせる(発注忘れと寝ている在庫を防ぐ)
  3. カルテに使用品を残し、次回の「ケアの提案」につなげる(押し売りせず店販率を伸ばす)

他店の平均店販率を追うより、まず自店の数字を毎月把握すること。そして店販を「売上」ではなく「お客様のケアの継続」と捉え直すことが、無理なく店販率を伸ばす近道です。


施術と物販を、ひとつの会計で管理したいなら

予約・会計の管理ツールに、物販・在庫の管理を別ツールで足していくと、合算で月1〜3万円・複数ツールまたぎになることがあります。サロン特化型のツールも、基本料金にオプションを積み上げる料金体系が一般的で、機能を増やすほど膨らみがちです。

施術と物販をひとつの会計で管理したいなら、予約・電子カルテ・売上管理・顧客管理・LINE連携が全部込みで月額¥4,980(最安水準。2026年6月時点・各機能を別契約で揃えた構成との比較・自社調べ)のSALONAという選択肢があります。会計画面で施術と一緒に物販を入力でき、全体/施術/物販/その他のタブで売上を切り分け、在庫アラート・仕入記録・物販カテゴリ別の集計までひとつで扱えます。ネット販売もある店向けの連携も用意しています。

👉 SALONAを見てみる


よくある質問(FAQ)

Q. 店販率はどうやって計算しますか?目安はありますか?
A. 店販率は「物販売上 ÷ 総売上 × 100」で計算します。例えば総売上80万円・物販売上8万円なら店販率は10%です。業界の目安は出典や業態で幅があり、一般に数%〜十数%と語られますが、確定した基準値はありません。他店平均より、まず自店の店販率を毎月把握して推移を見るほうが実務では役立ちます。

Q. 物販の在庫管理はエクセルでもできますか?
A. 記録自体はエクセルでも可能です。ただし、売れるたびに在庫を手で引き算する必要があり、忙しいと続きません。会計入力に連動して在庫が自動で減り、最低在庫を切ったら通知が出る仕組みにすると、発注忘れや欠品を防ぎやすくなります。

Q. 施術売上と物販売上は分けて記録したほうがいいですか?
A. はい。まとめてしまうと店販率も粗利も見えなくなります。会計のたびに施術と物販を同じ画面で一緒に入力し、種別(施術/物販)を分けて集計できるようにしておくと、物販がどれだけ貢献しているかが分かります。


運営:株式会社art crat./SALONA編集部
小規模・個人サロン、自費の治療院の経営・集客・ツール選びに、現場の手順で具体的に答えるメディアです。本記事の現場の声は、SALONA利用サロンへのヒアリングに基づき匿名化して掲載しています。
公開日:2026-06-20/最終更新日:2026-06-20

この記事をシェア

XでシェアLINEで送る