整骨院・整体院のweb問診票をiPadで運用する|受付を短くする手順
整骨院・整体院のweb問診票をiPadで運用したい方へ
紙の問診票の「記入待ちで受付が詰まる」「手書きをカルテに書き写す」「紙が増えて探せない」を、iPadやスマホのweb問診票に置き換える手順をまとめます。整骨院・整体院・鍼灸など、自費中心の小さな院を想定しています。この記事でわかることは3点です。(1) 紙の問診票の3つのロスをどこで潰すか、(2) 来院前・来院時のどのパターンでiPad/スマホに記入してもらうか、(3) 問診票を「その場限り」にせず、カルテと顧客情報に残すやり方。
結論:web問診票は「iPad提示・QR読み取り」の来院時運用から始めると失敗が少ない
先に答えを書きます。自費の整骨院・整体院なら、まずは来院時に店頭のiPad/タブレットで書いてもらうか、受付でQRコードを提示してお客様自身のスマホで書いてもらう運用から始めるのが現実的です。来院前にメールやLINEで問診票URLを送って事前記入してもらう方法もありますが、開業直後や連絡先が揃っていないうちは、まず店頭の1台で回す形が安定します。
そのうえで押さえたいのが、次の2つの設計です。
- 設問を絞る:予約時に聞いた氏名・電話は問診票から外し、書く手間を減らす。
- カルテと顧客情報に残す:既往歴・服薬・職業などお客様自身に紐づく情報は、その来院のカルテだけでなく顧客の基本情報にも蓄積する。
この2つをやっておくと、2回目以降に同じことを聞き直さずに済み、受付が短くなります。
なぜ紙の問診票で受付が詰まるのか
紙の問診票には、気づきにくい3つのロスがあります。順に見ていきます。
1つ目は、記入待ちのロス。 お客様が受付でボードを渡され、椅子で書き終わるまで待つ時間です。ひとりで施術も受付もこなす院では、この数分がそのまま次の予約を圧迫します。前のお客様の見送りと次の方の記入待ちが重なると、開始が押していきます。
2つ目は、転記のロス。 手書きの問診票を、あとからカルテに書き写す作業です。判読しづらい文字を確認したり、書き写す途中で聞き漏らしに気づいたりします。書き写している間は、当然ほかの手が止まります。
3つ目は、保管と検索のロス。 紙は増え続けます。「あの方の前回の問診はどこだったか」を探す時間、保管場所の確保、個人情報の紙を院内に置き続けるリスク。これらは日々少しずつ効いてきます。
web問診票の狙いは、この3つを「入力の時点で」まとめて潰すことにあります。記入は来院前か来院時にお客様のスマホ/iPadで、回答はそのままカルテに、紙は発生しない、という流れです。
web問診票 × iPad/スマホの3パターン
お客様に書いてもらう方法は、大きく3つあります。院の動線に合うものを選びます。
| パターン | 記入する場所 | 向いている院 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| (a) 来院前に記入 | 自宅などで事前に | 連絡先(メール/LINE)が揃っている | 未記入のまま来院する方への店頭フォローは要る |
| (b) 来院時にiPadで記入 | 店頭のiPad/タブレット | 開業直後・1台で回したい | 端末の受け渡し・消毒の運用を決める |
| (c) 受付でQRコード→自分のスマホ | 店頭でお客様のスマホ | 端末を用意したくない | お客様のスマホ操作に軽く案内が要る |
- (a) 来院前にメール/LINEで問診票URLを送る:予約が入ったら、受付メールやLINEのメッセージに問診票のURLを差し込んで送れます。お客様は来院前に自宅で回答でき、受付での記入がゼロになります。連絡先が揃っている常連中心の院に向きます。
- (b) 来院時に店頭のiPad/タブレットで書いてもらう:受付でiPadを渡し、その場で回答してもらいます。専用アプリは不要で、ブラウザで開けます。iPadでなくても、店頭のスマホや貸し出しタブレットでかまいません。
- (c) 受付でQRコードを提示→お客様自身のスマホで記入:受付でQRコードを見せ、お客様に読み取ってもらって、ご自身のスマホで回答してもらう方法です。端末を用意しなくてよく、消毒の手間もありません。
⚠️ 「iPadでしか使えない」わけではありません。 web問診票はブラウザで動くので、iPad・スマホ・タブレットのどれでも回答できます。専用アプリのインストールも不要です。「iPad専用」と誤解して端末をわざわざ買い揃える必要はありません。
なお、ホットペッパービューティー(HPB)など外部の予約サイトを併用している場合、外部予約と問診票が自動でつながることはありません。 外部で入った予約は、受付の画面でSALONA側の台帳に手動で取り込み、その予約に問診票を出す運用になります。「外部予約に問診が自動連携する」とは考えないでください。
設問を絞って「書く手間」を減らす設計
ここが、紙をそのままPDF化しただけの電子化と、実務が楽になる電子化の分かれ目です。
予約時に取得済みの項目は、問診票から外します。 予約の段階でお客様は氏名・電話番号などをすでに入力しています。同じ情報を問診票でもう一度書かせると、手間が二重になります。予約で取っている項目は問診票から削り、設問を絞ります。
自費の整骨院・整体院を開業準備中のオーナーAさん(仮名)は、まさにこの整理を実際に行いました。予約時に取得済みの氏名・電話・生年月日を問診票から削除し、設問を絞って簡素化しています。ヒアリングでは「予約する段階でお客様が入れているものは、問診票からいらないですね」というやりとりがありました(SALONA利用サロンへのヒアリングに基づき、匿名化して掲載)。細かいことのようですが、来院ごとに数項目ずつ減らせるかどうかは、受付の速さにそのまま効いてきます。
2回目以降は「確認だけ」で済むようにします。 お客様自身に紐づく情報(後述)を顧客情報に保存する設定にしておくと、2回目以降に同じ設問が出るときは、保存済みの回答が自動で入力された状態で表示されます。お客様は中身を確認して、変わったところだけ直せば済みます。毎回ゼロから書かせない、というのが再来の多い院ほど効きます。
問診票を「その場限り」で終わらせない=カルテと顧客情報に残す
web問診票のいちばんの価値は、回答が紙で消えずにデータとして残ることです。ここには段階があります。
まず前提として、問診票の回答は基本的にその来院ぶんのカルテに紐づきます。「前回この方が書いた職業は何だったか」を見たいとき、通常は過去の来院記録(カルテ)をたどることになります。
ここで、お客様自身にずっと紐づく情報は「顧客の基本情報」にも溜める設定にしておきます。既往歴・負傷歴・服薬・職業などは、来院ごとに変わるものではなく、その人に付いて回る情報です。こうした項目は、問診票の設問を「顧客情報に保存」する設定にすると、その来院のカルテだけでなく顧客の基本データ(カスタム項目)にも自動で保存されます。氏名や生年月日と並んで、いつでも見られる状態になります。
前述のオーナーAさんも、職業のように本人に紐づく情報はカスタム項目として顧客の基本情報に反映する設定を選びました。設問名がそのまま長い見出しになると読みにくいので、「起用歴」「負傷歴」のように短くわかりやすい名前に付け替えていました。この「本人に紐づく情報は基本情報へ、その日限りの情報はカルテへ」という切り分けが、あとから見返すときの効きに直結します。
さらに、アレルギーなどは「要注意情報」に設定しておけます。要注意情報に値が入っているお客様は、顧客カルテの上部に赤いアラートが自動表示されます。施術前に見落とさないための安全側の仕組みです。アレルギー項目は最初から用意されており、既往歴などの項目を自分で追加することもできます。
整骨院・整体院の問診票に入れておきたい項目の例
ここでは、自費の整骨院・整体院で問診票に載せることの多い項目を挙げます。院の施術内容に合わせて取捨選択してください。
- 主訴(今回いちばん気になっているところ)
- いつから(症状に気づいた時期)
- どこが(気になる部位)
- 既往歴(過去のケガ・手術・持病)
- 服薬(現在飲んでいるお薬)
- 妊娠の有無(該当する場合)
- 施術を希望する部位
- 同意事項への同意(施術内容の説明を読んだうえでの署名)
⚠️ 問診項目を作るときは、診断や効果を約束する表現を避けます。 「この施術で◯◯が治ります」「痛みが取れます」のような断定は、あはき柔整の広告ガイドライン(2025年改正でHP・SNS・MEOまで対象)に照らして書けません。問診票は「今の状態を聞くための設問」にとどめ、効能を保証する文言は入れないようにします。
患部を図で記録したい場合は、写真をアップロードして手書きスケッチを添える方法があります。詳しくはサロンの手書きカルテを電子化する方法|人型図・スケッチの残し方を参照してください。
よくある失敗/NG
競合記事があまり書かない、つまずきやすい点を挙げます。
- 紙をそのままPDFにしただけで満足する:設問を絞らず、予約で取った項目まで再入力させると、電子化しても受付は短くなりません。まず「予約時に取っている項目を外す」から始めます。
- 回答をカルテに残す設定を忘れる:その場で読むだけで、顧客情報に溜める設定をしていないと、次回また同じことを聞くはめになります。本人に紐づく情報は「顧客情報に保存」を設定します。
- 端末やアプリを買い揃えてしまう:web問診票はブラウザで動くので、専用アプリも専用iPadも必須ではありません。手持ちのスマホやQRコードでも回せます。
- 外部予約サイトと自動連携できると思い込む:HPBなどの外部予約は自動でつながりません。受付の画面で手動取込して問診票を出す運用です。
- 問診項目に効能・診断を書く:「◯◯に効く」「治る」といった断定は広告規制に触れます。設問は状態を聞くだけにとどめます。
業態ごとの違い
- 整骨院・整体院・鍼灸(自費):既往歴・負傷歴・服薬・妊娠の有無など、施術前に確認したい安全側の項目が多くなります。要注意情報の赤アラートを使い、見落としを防ぐ設計が向いています。なお、この記事は自費中心の院を想定しています。保険レセコンとの連携を前提にした運用は対象外です。
- 美容室・まつげ・ネイル・エステ:アレルギーやパッチテスト、希望スタイルの確認が中心になります。同意書とセットで、当日その場での署名まで一気に済ませる流れが組みやすいです。
- 共通:どの業態でも、「本人に紐づく情報は基本情報へ、その日限りの情報はカルテへ」という切り分けは同じです。
予約管理そのものの選び方は、整体院・整骨院の予約管理|自費メニュー中心の小さな院のシステム選びにまとめています。紙カルテからの移行全体の流れは、サロンの電子カルテとは?紙カルテからの移行手順とメリットを参照してください。
まとめ
整骨院・整体院のweb問診票は、次の順で運用すると失敗が少なくなります。
- まずは来院時のiPad提示、または受付でのQRコード読み取りから始める。
- 予約時に取得済みの項目(氏名・電話など)は問診票から外し、設問を絞る。
- 既往歴・服薬・職業など本人に紐づく情報は、顧客の基本情報にも保存する。
- アレルギーなどは要注意情報にして、カルテ上部の赤アラートで見落としを防ぐ。
- 問診項目には効能・診断を約束する表現を入れない。
紙の3つのロス(記入待ち・転記・保管)を、入力の時点でまとめて潰す。これがweb問診票を導入する目的です。
なお、SALONAの問診票(カウンセリングシート)は予約管理機能と合わせて使う前提の機能です。予約管理を契約したうえで、受付ウィザードのiPad/QR受付や、顧客基本情報への蓄積、要注意情報の赤アラートまで一続きで使えます。
SALONAで整骨院の受付を短くする
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よくある質問
Q. 整骨院の問診票はiPadでしか使えませんか?
いいえ。web問診票はブラウザで動くので、iPad・スマホ・タブレットのどれでも回答できます。専用アプリのインストールも不要です。端末を用意したくない場合は、受付でQRコードを提示してお客様自身のスマホで書いてもらう方法もあります。
Q. 問診票の回答は、次の来院でも引き継げますか?
既往歴・服薬・職業など本人に紐づく設問を「顧客情報に保存」する設定にしておくと、回答が顧客の基本情報に蓄積されます。2回目以降に同じ設問が出るときは、保存済みの回答が自動で入った状態で表示されるので、お客様は確認・修正だけで済みます。
Q. ホットペッパービューティーの予約でも問診票を出せますか?
外部予約サイトとの自動連携はできません。外部で入った予約は、受付の画面でSALONA側の台帳に手動で取り込み、その予約に問診票を出す運用になります。取り込み後は、iPad提示やQRコードで来院時に回答してもらえます。
運営:株式会社art crat./SALONA編集部
公開日:2026年7月4日/最終更新:2026年7月4日
本記事の一次情報は、SALONA利用サロンへのヒアリングに基づき匿名化して掲載しています。