ホットペッパー解約前の準備リスト|顧客データの引き継ぎ手順
ホットペッパーを解約する前に、やることは実質ひとつ
掲載料と成果が見合わなくなって、解約を決めた——。そのときいちばん気になるのが、ホットペッパーの解約で顧客データをどう引き継ぐか、という点だと思います。結論を先にお伝えします。解約するとサロンボードの管理画面に入れなくなり、CSVを出せなくなります。だから解約前にやることは、実質「データの書き出し」ひとつです。
順番を間違えなければ、これまでの来店履歴も、先に入っている予約も、手元に残せます。
この記事でわかること
- ホットペッパーから持ち出せるもの・持ち出せないものの線引き
- 解約前に済ませるCSV書き出しのチェックリスト(出力の上限つき)
- 解約後に既存のお客様との連絡線を切らさない段取り
結論:解約前にやるのは「CSVの書き出し」だけ
やることを分解すると、次の3ステップです。
- サロンボードからCSVを出し切る(予約一覧・売上明細)
- 出したCSVを自社側の台帳に取り込む
- 既存のお客様との連絡線を張り直す(自社の予約URL・LINE)
このうち期限があるのは1だけです。2と3は解約後でも進められますが、1は管理画面に入れるうちにしかできません。だから「解約前にやること」は実質ひとつ、と言い切れます。
先に、この記事の範囲もはっきりさせておきます。掲載をやめれば、掲載経由の新規のお客様は止まります。これは正直にそのとおりです。この記事が扱うのは新規集客の代わりではなく、すでに来てくださっているお客様との線を切らさないための段取りです。
なお、掲載料と成果が見合っているうちは掲載を続けるのも、自社予約と併用するのも、どちらも普通の判断です。まだ迷っている段階なら、併用を続ける前提の運用を先に読んでみてください(「ホットペッパービューティーと自社予約の併用ガイド」)。この記事は「卒業すると決めた人」向けの段取りです。
なぜ「解約してから」では間に合わないのか
解約を先に済ませてしまうと、あとから困ることが3つあります。
1. 管理画面に入れなくなる
CSVはサロンボードの管理画面からしか出せません。解約してアカウントが閉じると、そこで手が止まります。「あとでゆっくり整理しよう」が効かないのが、この作業の特徴です。
2. 「顧客名簿のダウンロード」というボタンは無い
ここが誤解されやすいところです。ホットペッパーには、顧客名簿をそのまま一括で書き出す用意がありません。では顧客情報が持ち出せないのかというと、そうではありません。予約一覧CSVに、お客様の氏名や電話番号が載ります。つまり実際の作業は「名簿をダウンロードする」ではなく、予約一覧と売上明細から、自分の台帳を復元するという形になります。この違いを知らないと、解約直前に名簿ボタンを探して固まります。
3. 未来の予約が残っている
先の日付の予約が入ったまま解約すると、その予約は手元の記録に残りません。当日になってお客様から連絡が来て気づく、という事故につながります。
3つとも、原因は同じです。書き出しより先に解約してしまうこと。順番だけの問題です。
ホットペッパーから持ち出せるもの・持ち出せないもの
期待値をここで揃えておきます。持ち出せるものと、掲載サービス側に残るものがはっきり分かれます。
| 持ち出したいもの | 解約前の扱い |
|---|---|
| 顧客名簿そのもの | 一括で書き出す用意はありません。予約一覧CSVに載る氏名・電話番号から、自分の台帳を復元します |
| 予約一覧CSV | 出せます(予約管理 → 予約一覧 → 日付入力 → 検索する → CSV出力/1度に出せるのは1年分まで) |
| 売上明細CSV | 出せます(売上管理 → 売上明細 → 日付入力 → 検索する → CSV出力/1度に出せるのは1,000件まで) |
| 未来の予約 | 予約一覧CSVに含まれます。移行直後のダブルブッキングを防ぐ材料になります |
| 口コミ・掲載順位・ポイント | 持ち出せません(掲載サービスに帰属します) |
いちばん誤解が多いのが最後の行です。積み上げた口コミや掲載順位は、卒業と同時に手放すことになります。これは移行の巧拙ではどうにもならない部分なので、卒業を決める段階で織り込んでおくものです。
一方で、来店履歴とお客様の連絡先は運べます。ここが手元に残れば、リピーターとの関係は続けられます。
画面の名称や出力の上限は変わることがあります。実際に作業する前に、ご自身の管理画面で最新の表示を確かめてください。
解約前にやる4つの手順
施術の合間に少しずつ進められる順番でまとめます。
手順1|予約一覧CSVを、1年ごとに書き出す
予約管理 → 予約一覧 → 日付入力 → 検索する → CSV出力の順に進みます。
注意点は、1度に出力できるのが1年分までという上限です。開業から5年経っているなら、5回に分けて出すことになります。「2021年8月〜2022年7月」「2022年8月〜2023年7月」のように、期間が重ならないよう区切って出していきます。
期間の途中が抜けると、そのままお客様の来店履歴の穴になります。書き出した期間をメモしながら進めると、抜けに気づけます。
手順2|売上明細CSVを、1,000件ごとに書き出す
売上管理 → 売上明細 → 日付入力 → 検索する → CSV出力の順です。
こちらの上限は1度に1,000件です。件数で切られるので、期間で区切ると読みが外れます。月あたりの会計が100件なら10か月分でいっぱい、200件なら5か月分でいっぱいです。検索結果の件数を見て、1,000件を超えそうなら期間を狭めて出し直します。
予約一覧だけでも来店履歴は残せますが、売上明細まで揃えると金額まで引き継げます。お客様ごとの累計ご利用額(LTV=顧客生涯価値。1人のお客様が生涯でお店に支払う総額のこと。詳しくは「LTVとは?サロンの顧客生涯価値をやさしく解説」)を続きから積み上げたいなら、両方を出しておきます。
手順3|未来の予約の期間を確かめて、解約日を決める
予約一覧CSVを出したら、いちばん先の予約がいつかを確認します。3か月先まで入っているなら、解約日はその予約の扱いを決めてからです。
- 先の予約もCSVに含めて手元に残し、移行先のカレンダーに載せてから解約する
- または、先の予約のお客様に個別に連絡して、新しい予約窓口へ案内してから解約する
どちらでも構いません。決めずに解約日だけ先に来ると、当日に発覚します。切替日そのものの決め方は「予約システムの乗り換えは並行運用で進める|切替日の決め方と手順」で詳しくまとめています。
手順4|掲載経由でない常連の連絡先を洗い出す
見落とされがちですが、掲載サイトを通さずに来てくださっているお客様が、たいていのお店には一定数います。紹介で来た方、SNSを見て直接連絡してきた方、昔からの常連さん。この方々の連絡先は、そもそもサロンボードのCSVには載っていないことがあります。
LINEのトーク履歴、電話の着信履歴、手書きの台帳。掲載サイトの外にある連絡先を、この機会に1か所に集めておきます。卒業後にいちばん頼りになるのが、この線です。
コピペして使えるチェックリスト
そのままメモアプリに貼って、上から潰していけます。
【ホットペッパー解約前チェックリスト】
□ 予約一覧CSVを1年ごとに分けて出し切った(出した期間:____〜____)
□ 売上明細CSVを1,000件ごとに分けて出し切った(出した期間:____〜____)
□ 期間の抜けがないか、書き出した範囲を並べて確認した
□ 出したCSVを手元(PC・クラウド)に保管した
□ いちばん先の予約日を確認した(____年__月__日)
□ 先の予約の扱いを決めた(移行先に載せる/個別に案内する)
□ 掲載経由でない常連の連絡先を1か所に集めた
□ 自社の予約URL・LINEの案内先を用意した
□ 上をすべて終えてから、解約日を決めた実際に「7月末で卒業」を決めたサロンの話
ここからは、実際にホットペッパービューティーの卒業を決めたオーナーAさん(仮名)にうかがった話です。SALONA利用サロンへのヒアリングに基づき、匿名化してご紹介します。
Aさんが卒業を決めた理由は、費用でした。このサロンの場合、掲載にかかっていたのは月額およそ5万円。「高いので7月末で卒業する」と、時期まで決めた上でお話を聞かせてくださいました。
※ 掲載料はプランやエリアで変わります。この金額はあくまでこのサロンの場合です。ご自身の請求額で判断してください。
興味深かったのは、その次の一言です。予約の受け口を聞いたところ、Aさんはこう答えました。
LINEとホットペッパーのみなんですよ。で、ホットペッパーを7月の末で卒業するんですけど、ホットペッパー実は登録せずにっていう人とかもおるから、もう来てるお客さんに関しては(LINEで)
つまり、掲載サイトに登録せずに来ているお客様が、すでに一定数いるという話です。さらにAさんは、そうしたお客様の様子をこう続けています。
何時からいてますかとか、いつ行けますかって言ってくる人が多いので
LINEで直接、営業時間や空きを聞いてくる。この状態は、掲載をやめても切れない線がすでにあることの現れです。
ここに、卒業の勘所が詰まっていると考えています。掲載を外した瞬間に、お客様との関係が全部ゼロになるわけではありません。もともと線がある人には、線が残ります。一方で、その線は今まで「LINEのトーク」と「掲載サイトの管理画面」に分かれて存在していました。卒業するなら、これを自分の台帳に1本化して貯め直す必要があります。
Aさんのケースで言えば、「何時から空いていますか」というLINEに毎回手で答えている状態を、自社の予約ページに置き換えていくことが、卒業とセットの作業になります。掲載をやめる準備とは、データを運ぶことであると同時に、この連絡線を自分の側に引き直すことでもあります。
解約後に頼りになる「連絡線」の張り直し
手順4と、Aさんの話でも触れた部分を、具体的な作業に落とします。掲載をやめたあと、既存のお客様が迷わないようにするための3つです。
1. 予約の窓口を、自社のURLに一本化する
Instagramのプロフィール、Googleビジネスプロフィール、LINEのリッチメニュー。掲載サイトのリンクを貼っている場所を洗い出して、自社の予約ページに差し替えます。差し替え漏れがあると、お客様は解約済みのページに飛びます。
2. LINEの友だち追加を、解約前から進めておく
お客様との連絡線として、いちばん確実なのがLINEです。お会計時や次回予約の案内のタイミングで、友だち追加をお願いしておきます。解約のお知らせ自体は、LINE公式アカウントの一斉配信など、LINE側の標準機能で送るのが素直です。
3. 来店時に、その場で拾う
事前に全員を移し終えるのは、現実にはなかなか難しいです。取りこぼしは、次に来店されたときに受付でその場で拾うのが確実です。掲載サイト経由で入った予約でも、来店時にお客様情報を確定させれば、そこから先は自分の台帳に乗ります。
💡 現場の判断メモ 卒業するかどうかで迷っている方には、「掲載料 vs 掲載経由の新規が生む粗利」で見ることをおすすめしています。ここで売上ではなく粗利(売上から材料費など直接かかる費用を引いた残り。考え方は「原価率とは?サロンの材料費の考え方と目安」)を使うのがポイントです。売上で比べると、割引クーポン経由の新規は実態より大きく見えます。掲載経由の新規が月に何人で、その方々が生んだ粗利がいくらか。それが掲載料を下回っているなら、卒業は現実的な選択肢です。
もうひとつ。解約日は月初や更新日ではなく、「CSVを出し切ってから」で決めるのが安全だと考えています。更新日に合わせて解約日を先に決めると、書き出し作業が締切に追われます。1年ごと・1,000件ごとの分割は、思ったより時間がかかります。出し切った日を確認してから解約ボタンを押す。この順番なら、慌てません。
書き出したCSVを、自社の台帳に戻すときの確認点
CSVが手元に揃ったら、次は取り込みです。移行先を選ぶとき、あるいは取り込み作業に入るときに、確認しておきたいのは次の4点です。
- 分割したCSVを、そのまま読めるか … 1年ごと・1,000件ごとに割ったファイルが何本もあります。1本ずつ整形が要るなら、そこで手が止まります。
- 金額が合っているか照合できるか … 取り込んだ売上がCSVの合計と一致しているか。ここが検算できないと、あとで数字を信じられなくなります。
- 未来の予約も載るか … 先の予約がカレンダーに入れば、移行直後のダブルブッキングを避けられます。
- あとから最新化できるか … 解約日ぎりぎりまで営業は続きます。最後に出したCSVを後から足せる形かどうかで、段取りの窮屈さが変わります。
CSVの書き出しから取り込みまでの汎用的な手順(列の揃え方や文字化けの直し方を含む)は、「サロンの予約システム乗り換え『やることリスト』全手順」にまとめています。
よくある失敗とNG
先に知っておけば避けられる、つまずきどころです。
- 解約してからCSVを出そうとする … 管理画面に入れず、そこで詰みます。書き出し → 確認 → 解約の順を守りましょう。この記事でいちばん伝えたい一点です。
- 1年・1,000件の上限を知らずに、期間の途中が欠ける … 「全部出したつもり」がいちばん危険です。書き出した期間を並べて、抜けを目視で確認しましょう。
- 未来の予約を確認せずに解約する … 当日にお客様から連絡が来て発覚します。いちばん先の予約日を確かめてから、解約日を決めます。
- 口コミ・掲載順位まで運べると思い込む … 積み上げた口コミは持ち出せません。卒業を決める段階で織り込んでおくものです。
- 顧客名簿のエクスポートを探して、直前に固まる … そのボタンはありません。予約一覧・売上明細から復元する、が正しい理解です。
- 予約リンクの差し替え漏れ … SNSやGoogleに古いリンクが残っていると、お客様が解約済みのページへ飛びます。貼ってある場所を先に洗い出します。
業態別に気をつけたい点
段取りは同じですが、業態で重みが変わります。
- 美容室・理容室 … 掲載への依存度が高く、先の予約も厚いのが一般的です。手順3(未来の予約の確認)をとくに丁寧に。カラーやパーマの履歴が次回の施術に直結するので、来店履歴の引き継ぎを優先します。
- まつげ・ネイル … 指名リピートが中心で、お客様との線が切れにくい業態です。Aさんの話に近く、掲載の外にいるお客様の比率が高いことがあります。手順4(掲載経由でない常連の洗い出し)から始めると、卒業後の見通しが立ちます。デザイン履歴やアレルギーの申告内容は、カルテのメモとして厚めに残しておきます。
- 整体・整骨院・鍼灸など自費の治療院 … そもそも掲載していない院が多く、この記事の対象から外れます。乗り換え全般の手順は、前掲の並行運用の記事を参照してください。
まとめ
ホットペッパービューティーの卒業でつまずかないために、押さえるのは3点です。
- 解約前にやるのはCSVの書き出しだけ(予約一覧は1年ごと、売上明細は1,000件ごとに分割して出し切る)
- 持ち出せるもの・持ち出せないものを先に把握する(顧客名簿の一括書き出しは無い/来店履歴と連絡先は運べる/口コミ・掲載順位は手放す)
- 解約日は「出し切ってから」決める(未来の予約の扱いも先に決める)
掲載をやめれば、掲載経由の新規は止まります。それでも、すでに来てくださっているお客様との線は、自分の手元に引き直せます。順番さえ守れば、卒業は事故なく進められます。
書き出したCSVを、そのまま台帳に戻したいなら
出したCSVをそのままお客様台帳に戻したい場合の選択肢のひとつが、SALONA(サローナ)です。予約・電子カルテ・売上管理・顧客管理・LINE連携が全部込みで月額¥4,980(最安水準。2026年7月時点・予約専用ツールに各機能を別契約で足した構成との比較・自社調べ)。
- データ移行は全プラン無料です。「設定 → データ移行」で、分割した複数のCSVをまとめてドラッグ&ドロップするだけ。「予約一覧」「売上明細」の区別は自動で判定されるので、仕分けは要りません。サロンボードのCSVは、この画面だけで完結します。
- 取り込まれるのは、お客様台帳(お名前・フリガナ・電話番号・性別・初回来店の流入経路)/来店履歴(カルテ)・累計ご利用額(LTV)・来店回数/メニュー別の施術売上/商品別の物販売上/過去と未来の予約です。
- 取り込む前に、金額をCSVの合計と1円単位で照合します。一致したときだけ先へ進めるので、数字のズレを抱えたまま移行しません。
- 解約直前に出した最後のCSVは、あとからもう一度アップロードすれば最新化できます(重複しません。取り込んだ後に書き足したメモ・カルテは残ります)。
- 移行後の既存のお客様には、LINE連携の配布用リンク/QR(設定 → 顧客・カルテ)をお渡しすれば、ご自身でカルテとLINEを紐付けていただけます。掲載サイト経由で入った予約も、来店時の受付リンクでその場で台帳に紐付けられます。
- 未来の予約を予約カレンダーで使うには、予約機能のご利用が必要です(過去の来店履歴だけなら、それなしでも取り込めます)。
- なお、ホットペッパー側との自動連携はできません。掲載を続けている間の予約は、手動で反映する前提の運用になります。
よくある質問(FAQ)
Q. ホットペッパーを解約すると、これまでの顧客データはどうなりますか?
A. サロンボードの管理画面に入れなくなるため、解約後はCSVを出せなくなります。過去の来店履歴やお客様の連絡先を残したい場合は、解約前に予約一覧CSVと売上明細CSVを書き出してください。なお、顧客名簿を一括で書き出す用意はありません。予約一覧CSVに載る氏名・電話番号から、自分の台帳を復元する形になります。
Q. 口コミや掲載順位も引き継げますか?
A. 引き継げません。口コミ・掲載順位・掲載サイトのポイントは掲載サービスに帰属するため、卒業と同時に手放すことになります。運べるのは、予約一覧・売上明細のCSVに含まれる来店履歴・金額・お客様の連絡先です。この線引きは、卒業を決める段階で織り込んでおきましょう。
Q. 解約したら、新規のお客様は来なくなりますか?
A. 掲載をやめれば、掲載経由の新規は止まります。そこは正直に見込んでおくところです。一方で、すでに来てくださっている既存のお客様との線は残せます。解約前にLINEの友だち追加を進め、予約の窓口を自社のURLに一本化し、取りこぼしは次回の来店時に受付で拾う。この3つで、リピーターとの関係は続けられます。
運営:株式会社art crat./SALONA編集部
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公開日:2026-07-17